XGIMI HORIZON 20 Proレビュー:もうテレビいらないかも

※本記事はアフィリエイトリンクを含みます

なぜ買ったのか

家でアニメや映画を見るのが趣味なのに、視聴環境がiPadだけだったからです。社会人2年目、NetflixとアマプラをiPadで見る生活をずっと続けてきました。一人なら十分なんですが、友達や恋人と見ると小さい。かといってテレビは部屋で場所を取りすぎるし、値段もそれなりにします。

そこでプロジェクターです。大画面の迫力があれば、最悪映画館に行かなくてもいいんじゃないかと。映画館は安くて1,000円、高いと2,000円。二人で行ってポップコーンをつけたら5,000円コースです。サブスクに入ってポップコーンはコンビニで買ってくれば、何回でも楽しめる。そう考えて購入を決めました。

問題はどのモデルにするかでした。HORIZON 20には無印・Pro・Maxがあって、Pro以上はレンズが違います(スペック表を眺めてもすぐには気づきにくい違いです)。

実は見に行くまでレンズが違うことを知らなかったんです。でも実際に見て衝撃を受けました。家電屋でたまたま無印とProを見比べたら——全然違ったんですね。見たのはフルーツジッパーのライブ映像だったんですが、Proの方が明らかに明瞭。差額は定価で約6万円ですが、長く使うならこれは払っていいなと、その場で心が決まりました。

Amazonの2026年7月プライムデーで26万円台後半で購入。

開けてみて・第一印象

開けた瞬間の感想は「高級感すごいな」でした。何よりこのレンズ。映画館の後ろに置いてあっても不思議じゃない存在感です(もちろん本物はもっと大きいんでしょうけど)。IMAX Enhancedのロゴが入っていて、いろんな規格に対応しているので安心です。スピーカー部分のデザインもいいですね。ただこの「いろんな規格に対応」、見た目どおりに受け取ると少し誤解する表記でした。これは後述します。

机に置いた XGIMI HORIZON 20 Pro の全体。手前がスピーカー部、右上がレンズ

個人的なイメージですが、Valerion(VisionMasterシリーズ)あたりの高級路線と比べると、HORIZON 20 Proは「生活空間に馴染む高級感」だと思います。あっちは高級感はあるけど、それ専用の家じゃないと浮きそう。こっちは普通の家にも高級感のある家にも馴染むデザインで、そこがすごくいい。

持ってみるとそれなりに重い(4.9kg)ですが、部屋の中で移動させる分には問題ない重さです。

スペックざっくり

項目HORIZON 20 ProHORIZON 20(無印)HORIZON 20 Max
レンズX-Master レッドリングレンズ(体感差の主役はこれ)標準レンズProと同じ
明るさ4100 ISOルーメン(明るすぎて、うちでは出力を落としてる)3200 ISOルーメン5700 ISOルーメン
定価(2026年8月時点・公式サイト調べ)349,900円289,900円(Proとの差約6万円)450,900円
投影比1.2〜1.5:1(100インチには約2.7〜3.3m。短焦点ではない)同じ同じ
ゲーム遅延最小1ms・240Hz対応(ただし条件あり→後述)同じ同じ
スピーカーHarman Kardon 12W×2+HDMI eARC対応(サウンドバーに逃がせる)同じ同じ

輝度やコントラストの数字も違うんですが、体感差の主役はたぶんレンズです。フルスペックは 公式サイトを見てください。

そのほかのスペック
項目HORIZON 20 ProHORIZON 20(無印)HORIZON 20 Max
重さ4.9kg(部屋内の移動はできる。持ち歩く物ではない)4.8kg5.4kg
サイズ249×298×190mm同じ同じ
投影サイズ40〜300インチ(推奨60〜150。うちは約90インチ運用)同じ同じ
レンズ調整光学ズーム・レンズシフト対応(垂直±120%・水平±45%)同じ同じ
自動補正ISA 5.0: オートフォーカス・自動台形補正・障害物自動回避・アイ・プロテクション(遅延を最小にするには自動台形補正をオフ→本文の注意点)同じ同じ
映像規格4K・IMAX Enhanced・Dolby Vision・HDR10+同じ同じ
アップスケーリングAISRアップスケール(AIでフルHD等を補間。体感は本文へ)同じ同じ
コントラスト20,000:1(DBLEオン時)同じ同じ
光源RGB 3色レーザー(3モデル共通)同じ同じ
動作音28dB以下同じ同じ
端子HDMI 2.1×2(うち1つeARC)・USB×2・光デジタル音声同じ同じ
無線Wi-Fi 6・Bluetooth 5.2・Google Cast/DLNA対応同じ同じ
OSGoogle TV内蔵(Netflix・TVer・U-NEXTがこれ単体で動く)同じ同じ
消費電力230W以下180W以下280W以下
設置天吊り(フロント/リア)対応同じ同じ

使ってみた

初日の映画で「テレビより綺麗」と思ってしまった

結論から言うと、映像は本当に感動しました。最初に見たのは『モノノ怪』の劇場版(初見なのになぜか第二章から見ました)。和紙みたいな質感のアニメーションなんですが、その質感が大画面いっぱいに広がって、「テレビより鮮明だな」って思っちゃったんですよ。冷静に考えて鮮明なわけないんですけど、本当にそう感じてしまった。

YouTubeの4K映像(星空とか自然とか)も試しました。8Kテレビみたいな「そこにある立体感」まではさすがに届かないんですが、それでも立体感をなんとなく感じる。そこに世界が広がってるんだろうな、という感じがするんです。没入感はもうマックス。買ってよかったと心から思いました。

あと、4KではないフルHDの映像でも結構きれいに映ります。通常、フルHDの映像を4Kのサイズで表示しようとすると、引き伸ばされて画質が逆に悪化することがあるんです。しかしこの機種にはAISRアップスケールというAIのアップコンバート機能が付いていて、フルHDがきれいです。具体的に比較したわけではないので体感なんですが、多分これが効いているのではないかなと思います。Aladdin系やその他の格安4Kプロジェクターでは明言されていないことが多い機能なので、これがしっかり付いているのは購入候補として大きい違いなんじゃないかなと思いました。

明るさは4100 ISOルーメンなので、お昼でもカーテンを閉めれば全然問題なく使えるレベルの明るさです。1日中使えることを考えると、さらにこの価格に納得です。

明るい部屋で投影した画面。壁に直接映している
照明をつけた部屋で。スクリーンなし・壁に直接投影

同じ映像を暗い部屋で。黒が締まって色が濃く出る
同じ映像を、照明を消して。黒が締まって色が濃く出る

なお、この2枚はスマホで撮った写真なので、実際の画素数の細かさまでは伝わりきっていません。実物はもっと精細です。

投影した画像: Moraine Lake / James Wheeler(Pexels)

で、レンズの差は家でも体感できたのか

できました。家電屋で受けた「明瞭さの衝撃」は家でも変わらずです。むしろ面白いのは、明るさの方は持て余していること。4100 ISOルーメンは夜の部屋には明るすぎて、出力を落として使っています。つまり「輝度のためにPro」なら無印でもよかったかもしれない。でもレンズの明瞭さは譲れなかった。ここが私の6万円の使い道でした。

赤いリングのレンズと NICHIA Laser のバッジ、パンチングメタルのスピーカー部
Proと無印を分ける X-Master レッドリングレンズ

ゲームは遊べる。ただし「最速」には条件がある

Switchを繋いで遊んでいますが、カジュアルなゲームなら快適です。ゲームをするプロジェクターといえば真っ先にこれが浮かぶくらいで、ゲームモードの遅延は最小1ms(1080p・240Hz時)。リズム天国や世界のアソビ大全51も、友達や恋人とやると最高です。この機種のためにドックをもう一台買って、Switch本体だけ移動させれば繋がるようにしたくらいには気に入っています。

ただし、この「最小1ms」には条件が重なっています。公式サイトの詳細仕様表をよく読むと、1msが出るのは「ゲームモード・VRRオン・自動台形補正オフ」で、しかも1080p@240Hzのとき。4Kのままだと最速でも3msです。240Hzを出せる機器は実質ゲーミングPCくらいなので、Switchの私には1msはそもそも届かない数字でした。この内訳が製品ページの目立つところではなく、詳細仕様表の1行にしか書かれていない。買う前に分かりづらくなっているのは正直不満でした。

そして設置に一番効くのが「自動台形補正オフ」の条件です。ゲームモードで遅延を最小まで削るには、台形補正・水平補正をオフにする必要がある。つまりほぼ正面からの投影が必須になる。正面に置くには専用スタンド(別売・約2万円)が現実的です。本体が30万円クラスなので「あとの買い物としては安い」とも言えますが、人によっては「さらに払うのかよ」と思う値段ですよね。

私はスタンドを買っていません。補正ありのゲームモードでも、リズム天国くらいのカジュアルゲームは十分遊べたからです。スプラトゥーンやスマブラも、みんなでワイワイやる分には問題なし。ただAPEXやガチのスプラトゥーンをやりたい人は厳しいと思います。そういう人は素直にゲーミングモニターを使うか、正面設置を整えるかの二択かなと。

投影距離は長め。ワンルームは工夫が必要

このプロジェクター、投影比1.2〜1.5:1と、いまどきの短焦点勢に比べると投影距離が長めです。100インチ映すには3m前後の距離が要ります。うちは斜め置きなので正確ではないんですが、だいたい2.5mくらい離して約90インチで使っています。部屋が狭い人、特にワンルームだと置き方の工夫が必要です。自分の部屋で何インチになるかは、公式の プロジェクションプランナーに部屋のサイズを入れると機種別に計算できます。買う前にここで確認しておくと安心です。

ただ、距離が長いことはメリットの裏返しでもあります。超短焦点は左右の角度にあまり対応できず、ほぼ真正面に置く必要があるんですが、この機種は普通の投影距離だからこそ、左右や上下にずらして置いてもきれいに補正して映してくれる。ここは素晴らしいポイントです。

スタンドを一番下まで倒して、レンズを下向きにした状態

反対に上向きへ振った状態。背面の排気グリルが見えている

あと距離が長いと「光の通り道を人が横切る」わけですが、人が入ると自動で光をほぼオフまで弱めてくれる「アイ・プロテクション」という機能があります。過信は禁物ですが、安全面はそこまで心配しなくていいと思います。

スマホ転送は便利。PCのサブモニターには向かなかった

意外と便利だったのがスマホからの転送で、MagiCastというアプリを入れるとiPhoneから飛ばせます。気軽に見たいときはこれで十分。

逆にPCと繋ぐ使い方は微妙でした。HDMIケーブルで繋ぐとプロジェクターの置き場所にPCが縛られるのがまず不便。サブモニター的に使って開発作業も試しましたが、結局「普通のモニターの方がいい」という結論に。オンラインミーティングを映すのも試しましたが、これじゃない感がすごくて、いらないなと思いました。無理してプロジェクターにやらせる仕事じゃないですね。

対応規格は全部盛り。でも同時に効くのは1つ

開封のところで「いろんな規格に対応しているので安心」と書きました。しかし、カタログには4K・IMAX Enhanced・Dolby Vision・HDR10+・240Hz・1msと並んでいて、まるで全部込み込みで並列に動くように読めるんですが、実際は違います。

Dolby VisionとHDR10+は、どちらが働くかコンテンツ側で決まっていて、1本の映像で効くのは片方だけ。IMAX Enhancedも対応コンテンツでしか発動しません。ゲームの1msは上に書いたとおり条件の重ね掛け。つまり対応一覧は「足し算」で書いてあるけれど、実際の視聴で効いているのは常にそのうちの1つか2つで、現実には一部のモードしか使いません。

このあたり、YouTubeのレビュー動画だと対応規格の多さをそのままアピールして終わることが多くて、正直ちょっと闇を感じました。XGIMI系のプロジェクターはPR(提供)動画の率が高めなのも、原因のひとつかもしれません。この記事にもアフィリエイトリンクがありますが、だからこそ「買う前に分かりづらい条件」を先に書いておきます。

総評

TVerでテレビ番組も見れるし、U-NEXT入ればドラマも見れるし……あれ、もうテレビいらないよね?
★★★★ 1ヶ月使っての満足度

◯ 良かった点

  • 映像の没入感。テレビより綺麗と錯覚するレベル
  • 高級感がありつつ普通の部屋に馴染むデザイン
  • eARC対応でサウンドバーに繋げる。音の逃げ道がある
  • 斜め置きに強く、設置の自由度が高い

△ 気になる点

  • 遅延を最小にするには台形補正オフ=正面設置が必須(スタンド別売・約2万円)
  • 投影距離が長め。狭い部屋は工夫が要る

こんな人におすすめ

買う前に絶対考えてほしいのは設置場所です。投影距離と角度(水平・垂直)をしっかり調べて、距離が確保できる人なら買っていい。壁に直接当てても意外といけるので、スクリーンがない人も大丈夫です(ただ、これを買ったらスクリーンが欲しくなると思います)。

私の置いている場所は7、8畳くらいですが、約90インチで問題なく使えています。

逆に、設置場所がない人・コンパクトさ最優先の人には向きません。そういう人には別の選択肢があります。

  • 省スペース最優先: Aladdin X3(シーリング一体型)。床の設置場所を一切取らないのはミニマリスト的に最強。ただしスピーカーが8W×2と控えめで、サウンドバーにも逃がせないので音は妥協になります
  • 距離が取れないけど画質もほしい: Aladdin Marca MAX(超短焦点)。壁際に置けます。ただし超短焦点は壁の凸凹に映像が左右されやすいので、そこをどう取るか
  • もっと節約: Ankerのペットボトルサイズのやつなど

ちなみにAladdin XはXGIMIと同じグループの会社なので、プロジェクターの技術としては同系です。設置スタイルで選べばいいと思います。

その上で、家での映画空間・作品への没入感を本気で求める人、サウンドバーを使いたい人は、HORIZON 20 Proが本命だと思います。無印との差額約6万円は、「映像の明瞭さ」に価値を感じる人なら払っていい。明るさ目的だけなら無印でも足りるかもしれません(実際うちは輝度を落として使っているので)。

これを置いておくと、毎日の生活が楽しくなること間違いなしです。

この手の製品はセール価格が実質通常価格みたいなものなので、急ぎでなければセール待ちをおすすめします。お金に余裕があるなら、毎日が楽しくなるので今買っちゃってもいいと思いますが。

XGIMI HORIZON 20 Pro

「テレビより綺麗かも」と思ってしまった、Google TV内蔵の4K・3色レーザープロジェクター。

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